ホセ・ムヒカ元ウルグアイ大統領が死去した。
ここのところ、尊敬する人たちが亡くなって、寂しい。
ムヒカ元大統領が世界に知られるようになったのは、2012年リオ・テ・ジャネイロで行われた「リオ+20 国連持続可能な開発会議」において、彼が行った演説による。
この演説はYoutubeで見られるが、絵本にもなっている。
私は、子どもが小学校の時に、学校で読み聞かせを6年超やってきた。
どんな本を読んだらいいか、いつも自分なりに考える。
流山市内の小学校の中には、担当者から本を指定されるところもあるようだ。
息子が通っていた鰭ケ崎小学校は、読み手が自分で読む本を選ぶことができた。
読み手の個性によって、いろいろな本が選ばれているのが楽しい。
笑えるもの、古典もの、考えるもの・・・などなど。
私が始めた頃は、読み手にお子さんが卒業した後も続けてくださる方たちがいた。その上手なこと!
その方たちは、コロナ前まで、「大人のための読み聞かせ」を定期的に行っていて、素晴らしい活動だった。コロナで、それがなくなってしまったのは、本当に残念。
私も、いろいろな本を読んだが、高学年の子どもたちに、各クラス、1年に1度必ず読んだのが、
「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」(汐文社)という絵本だ。
ホセ・ムヒカ元大統領の演説を絵本にしたもの。小学生には、かなり難しいかもしれない。
しかし、子どもたちは、シーンとして聞いてくれる。一生懸命、考えているのがわかる。
中川学さんの絵も可愛らしい。
・情け容赦ない競争の中で、家族や友人や他人を思いやる気持ちは、どこにいったのか?
・幸せになるために生まれてきたのに、必要以上のものを手に入れるため働き詰めで早々に命尽きたら?
・賢人たちの言葉「貧乏とは、少ししか持っていないことではなく、かぎりなく多くを必要とし、もっともっととほしがることである。」この言葉は、人間にとって何が大切かを教えてくれる。
・今ある危機の原因は、私たちが目指してきた幸せの中身にあり、見直さなければならないのは、わたしたちの生き方だ。
・ウルグアイは、せっかく6時間勤務を可能にしたのに、車やバイクなどのローンを払うために、ダブルワークで働く人が出てきている。人生はあっという間に終わってしまう。
・発展は、人間の幸せの味方でなくてはならない。人と人が幸せな関係を結ぶこと、子どもを育てること、友人を持つこと、地球上に愛があることーこれらは人間が生きるためのギリギリ必要な土台だ。発展は、これらを作ることの味方でなくてはならない。
・幸せことが最も大切な宝だ。人類が幸せであってこそ、よりより生活ができるのだ。
ムヒカ氏の言葉は、私たち大人にも、自らの生活、人生について考えさせられる。
生きる上で、私たちは、何が必要なのかを考えさせられる。
このメッセージをこれからの未来をつくる子どもたちにしっかりと届けたい。
元ゲリラ戦士でもあり、中南米左派の英雄的存在とも言われている。
国民は、大統領になってからも「ペペ」と愛称で呼んだという。
妻も国会議員だ。その妻と大統領公邸には住まず、愛車のビートルを運転した。
大統領の任期以外は、妻と畑を耕しながら暮らした。
自らの考えに一貫して生きた人生だった。
ぺぺ、ご冥福をお祈りします。
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