流山から中井やまゆり園等の不適切支援の発覚を踏まえて考える。その2・了。

誰一人取り残さない

前回のブログで書いたように、

障害者施設でも、学校でも、高齢者施設でも、「密室」になりうる場所での力関係は、時に尊厳を傷つけたり、差別や暴力が発生する空間になりやすい。

だからこそ、それを「発生させない」ための取り組みを行政が、施設職員らと共に、行なっていくことが必要だ。

密室空間の中でも、人権侵害や虐待が起きないように、そして利用者が安心して暮らせる環境をつくるために、「しくみ」をつくっていくことが必要だ。

そのしくみづくりの第一の責任は、もちろん施設側にある。しかし、施設内だけでなく、第三者の専門家や行政も一緒に力を合わせることが必要だ。

だからこそ、私は、2023年の流山市長選挙の際に、次のような公約を訴えた。

■誰一人として取り残さないための一人ひとりへの支援

◯重大ないじめや虐待(子ども、シニア、障がい者)は市長直轄

重大ないじめや虐待(子ども、シニア、障がい者)を現場だけに任せるのではなく、市長が直轄で確認し、改善につなげます。学校、いじめ相談室、柏児童相談所、要支援児童対策協議会など、様々に連携して問題の解決につなげます。

***

市長が、何でもかんでも入っていくと言うわけではない。

しかし、虐待を含む事案の存在を「認識」し、そのプロセスの進展を確認し、第三者の介入など予算も含めて解決を行政として支え、困難な時にこそ、互いに知恵を出していくことが大切だ。

支援者も、支援される人も、人間。いろんなことが影響する。

支援者も、自分の生活でも、いろいろなことがあるだろう。そんな中で、仕事とはいえ、精神的にパンパンになってしまうこともある。しかしだからと言って、利用者を傷つけていい訳はないし、不適切支援があってはならない。

できることは、不適切支援が行われないようにするために、その組織の職員同士のチームワーク、お互いのチェック機能、声掛けや助け合い、支援に関する研修・学びの積み重ね、仕事量など、さまざまなことが必要になると思う。

そういったことを施設だけでなく、施設外の人と共に、お互い確認し合い、チェックしあっていく。時に、厳然とした処分も必要だが、むしろ声高に責めるのではなく、一緒に創り上げていきながら、職員が利用者さんとの一日一日を積み上げていけるような環境をつくっていくことが必要だろう。

最後に、中井やまゆり園の責任者でもある黒岩知事が、朝日新聞の記事の中で、こう言っている。

「当事者と対話を重ねる中で、『なぜ私が暴れていたのかを聞いてほしかった』というある障害者の言葉にドキッとした。うまく言葉が出ないから行動に出る。暴れるともっと閉じ込められるという構図だった。この問題は相当根が深い。簡単にはいかない。」

こういった言葉が、行政の長であり、施設の責任者から出てくることが、まずはとても大切だ。

問題があれば、きちんと見直し、対応策を練り、記録し、必要なら新しい知識や新しい専門家を入れ、学び合いながら、絶えず見直し、変化していく。

人を相手にする仕事に完成形はない。

コメント