流山から考える、4月1日から導入が始まった共同親権。その3養育費について。

子ども・子育て支援

4月1日から、養育費の支払い確保についても見直される。

令和3年度「全国ひとり親世帯等調査」によると、養育費について、

母子家庭の場合:

「現在も受けている」28.1%、「過去に受けたことがある」15.1%、「受けたことがない」56.0%

父子家庭の場合:

「現在も受けている」8.7%、「過去に受けたことがある」4.9%、「受けたことがない」86.0%

という結果が出ている。

4月1日以降は、養育費債権に「先取特権」という優先権が付与されるため、債務名義(公正証書、調停証書、審判書など)がなくても、養育費取り決めの際の父母間で作成した文書に基づき、差し押さえ手続きを申し立てることができるようになる。

この「先取特権」が付与される上限額は、子1人当たり月額8万円。今回の改正前に養育費が取り決めされている場合で養育費が支払われていない場合、この改正後に生ずる養育費に限って先取特権が付与される。

●法的養育費の新設

これまでは、父母の協議や家庭裁判所の手続きによって養育費の額を取り決めなければ、養育費を請求できなかったが、今後は、離婚の際に養育費の取り決めを「していなくても」、主として監護している親は、他方に対して暫定的に養育費を請求できるようになる。

その額は、子1人当たり月額2万円。支払われない場合には、差し押さえ手続きを申し立てることができる。

なお、改正前に離婚した場合、暫定的養育費は発生しない。よって、養育費の支払いを求めるためには、父母の協議や家庭裁判所の手続きにより養育費の額の取り決めが必要となる。

●裁判手続きの向上

今回の改正後、養育費を請求するための民事執行の手続きが迅速になる。地方裁判所に対する1回の申し立てで、以下の一連の手続きが可能になる。

(1)財産開示手続き:養育費支払い義務者に保有財産の開示請求。

(2)情報提供命令:市区町村に対し、養育費支払い義務者の給与情報の提供を命じること。

(3)債権差押命令:判明した給与債権を差し押さえる命令。

●養育費支払い義務者が経済的に厳しい場合

養育費の支払い義務者が、支払い能力を欠く場合、「支払えないこと」や「支払うことにより自らの生活が困窮すること」を証明した場合、その全部または一部の支払いを拒むことができる。

父母の協議により、暫定的な養育費の額より低額の養育費を取り決めることもできる。

●養育費の取り決めが大切

離婚の際には、父母の協議や家庭裁判所の手続きによって、各自の収入を踏まえた適正な額の養育費を取り決めすることが大切。

●養育費を決められない場合

父母だけで養育費が決められない場合、地方公共団体、養育費・親子交流相談支援センター、母子家庭等就業・自立センター、法テラス、弁護士、ADR機関、家庭裁判所の手続きなどを利用するとよい。

共同親権となることにより、単に、子どもに関わることを判断できるというだけでなく、親としての経済的な義務も当然厳しく求められるようになる。

大切なのは、養育費について、きちんと話し合い、決定しておくことだ。ただし、決定が難しければ、適切な第三者を入れて決定し、互いに、親としての責任を果たすことが厳しく求められる。それは、子どもの健康、利益、生活を守るためだ。

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