11月17日は、濃い1日でした。新聞「ふぇみん」の企画で、「かにた婦人の村」を訪問してきました。
パンフレットには、こうあります。
かたにーとは、そこを流れている小さな川の名前です。
カニが、チョロチョロはっているタンボという意味でしょうか?
そのほとりに、身も心も疲れはてた女性たちが集まり肩よせあって生きてきた、
共同体なのです。
1958年に売春防止法が成立。深津文雄牧師が、生活に困難を抱える女性たちのための婦人保護施設「いずみ寮」を東京に設立。その後、1965年に知的障害や精神障害(売春で搾取された女性たちの中に多くいる)などを抱える女性たちが、終の住処として暮らせるコロニーとして、千葉県館山市に「かにた婦人の村」がつくられました。女性たちは、農業、陶芸、手芸、料理など、それぞれが、それぞれの仕事をしながら暮らしています。
キリスト教者によって、日本の廃娼運動が実施されてきたといっても過言ではありません。私も、政策秘書の頃は、「シェルターネット」が設立される前から、日本キリスト教婦人矯風会「HELP」の皆さんと行政交渉を続けてきました。その活動の中で、多くの尊敬すべきキリスト教者の女性たちに出会うことができ、おおいに影響を受けました。HELPのシェルターを見学させてもらったり、女性たちの抱える問題について多くのことを学ばせてもらいました。
今回の訪問では、従軍慰安婦を慰める碑、そして礼拝堂の下にある納骨堂で、参加者は哀悼の意を表しました。また設立当初から支援し、この村を広げ、多くの女性たちを迎えてきた、98歳になる天羽道子シスターにご挨拶をいただくことができました。法律名含めて正確に、かくしゃくと、穏やかにお話になるシスターの姿に、参加者はみな心打たれました。私たち参加者は、長年の努力と実践に、心からの敬意を表することができ、ありがたかったです。
その後、現在の施設長の五十嵐逸見さんからのお話。かにたの組織、運営状況、行政からの支援状況など詳細な説明をいただきましたが、ここには記しません。が、
「丁寧に話を聞き、丁寧に説明をする」ことを心がけている。
「ちゃんと聞いてくれる人がいると、人は相談することを覚える」
「地域と共に生きる」
「この世にうまれてきて不要な人は一人もいない」
これらの言葉が残りました。
聞いてくれる人に話すことで、これまでのこと、今の望み、未来のこと、自分のいろんなことが見えて整理されてくるのかもしれません。設立当初は、家族との縁が切れている人も多かったけれど、現在の入所者さんたちは、家族との関係が続いている人も多いとのこと。虐待やDVの被害者の入所が増えているようです。
若い人は、「携帯を禁止されるのが嫌だ」と婦人保護施設から抜け出していくという話をよく聞きます。かにたでは自分で料金を支払える限り使用可能なようです。でも、デジタル・デトックスをはじめ、社会と一旦関係を絶って、自分と向き合う時間を持つことも大切なんだけどな・・・と思います。
虐待を受け、大学進学を諦めていた方が、施設の支援で大学に入学。かにたでアルバイトをしたりしながら、頑張っているという話も聞きました。作業所などを経て、社会へ復帰される方もいるそうです。
売春、虐待、DV、様々な苦しみを経験した女性たちが、期限なく受け入れられる場所。
残念ながら、この社会には、このような場が必要です。行政から支援が受けられる予算と、必要だが支援が受けられない予算があるので、寄付をはじめ支援が必要だということも痛感。下記に支援方法を書いていますので、ぜひご協力ください!!
2024年4月から「困難を問題を抱える女性への支援に関する法律」が施行されました。2023年12月の流山市議会に上田恵子は、この法律に関する請願を提出しました。結果は、3項目中1項目について採択、2項目について否決。この件については、改めてブログまとめます。かにた婦人の村も、今後は、この法律のもとに運営されていくことになります。女性たちが、身も心も受けた大きな荷物を下ろし、身も心も癒されて、力を得ていく場所。そんな場所が、かにた婦人の村のようなコロナーとして、また私たちの暮らす地域にも存在して、女性たちを支えていくことの大切さを多くの人と共有したいです。
社会福祉法人ベテスダ奉仕女母の家のホームページはこちら。。。
https://www.bethesda-dmh.org/gaiyo/shisetsu/#emmaus
この↓ブログもよかったです。
https://jammin.co.jp/charity_list/230821-kanita/
寄付先:
一般寄付(使途限定せず)
ゆうちょ銀行 ◯一九支店 預金種別:当座 口座名:かにた講演会
口座番号:0020569
※バザーをするための衣服、アクセサリー、バッグ、CD などを送る、毎月500円の寄付といった支援方法もあるそうです。
礼拝堂内:後ろの壁にあるのは、ウガンダの人々からの手紙が貼り付けらている!
従軍慰安婦のための碑
現在建設中の新施設:個室があるすっきりした建物
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