心の傷は、二階建てになっているという。一階は、本源的傷。二階は、二次的な傷。
二次的な傷は、学校に行けない自分に対して、「普通ではない」「異常な自分」「いけない自分」「ダメな自分」「頑張れない自分」といった自分への不信がある。「見捨てられる不安」からいない方がいいとまで思ってしまう。この複雑な二次的な傷をまず癒すことが大切。その腕、本源的な傷を癒していく。時間はかかる。しかし、子どもたちには、心の傷を癒す力をもっている。その力を信じられるかが大切。その支援には、家族の在り方がとても大切だ。
母親が抱えているのに、夫婦での子どもについての情報の共有がないケースがあるという。母親がもっと話せるようになって、夫婦の関係が柔らかくなると家の中の雰囲気が変わるという。そうなると、子どもたちはリビングで「呼吸できるようになる」。そうなると、言えなかったことが言葉になる。辛さや悲しさを言葉にした時に、聞いてくれる人がいれば、言葉は豊かになり、癒えていく。そこに家族の力が必要だ。子どもも、親も、心の傷を「言語化」することによって癒される。
各学校に、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを設置してほしい。
松本としろう先生によると不登校という問題の奥にある本当の問題を見つめることが大切だという。先生の研究では、10代、20代の自殺者の多くが不登校経験者であり、75%が学校への復帰者。不登校期間が短かった人だという。それは、心の傷が癒やされていないのに、学校に戻されてしまったために、ずっと心の傷が残っていたのではないか。
以上の上で、
1)支援の目的を学校復帰にしない。危険ですらある。
2)不登校は子どもが生き延びるための戦略。癒す、休むことが大切。
3)「行きたくない」「行けない」という言葉には、重大な意味が隠されている。
親が大丈夫というサインを出すと子どもは安心する。親が大丈夫と思っていないと、オーラがびんびん伝わる。親が大丈夫と思えるように、親の支援が必要。
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