先日、新聞の整理をしていたら、2月14日の朝日新聞千葉版に、柏の「いしど画材」が閉店するという記事が載っているではないか!ガーン!!!私は、2月14日の新聞を読んでいなかったのだろうか!?閉店までに、直接伺えなかったのが残念で仕方ない。
「いしど画材」さんは、東葛地域の美術界を支えてきた存在。池田理代子さん、江口寿史さんといったプロの方々、美術の先生、美術愛好家、子ども達まで、美術大好きな皆さんがお世話になっているお店。
我が家の場合、長年お世話になった、というわけではない。しかし、昨年、息子が学校で美術を選択していて、作品制作の準備のために何度か「いしど画材」に伺って、お世話になった。絵の具、濃淡様々な鉛筆、版画板、版画刷り用紙などなど、必要なものを探しに行った。
保護者は全くの素人ゆえ、よくわからない。お店の方に伺うと、丁寧に、一緒に探してくださった。そして、何度目かに伺った時のこと、「以前、お世話になって描いた絵が、学校でとても高く評価されました。ありがとうございます!」とお伝えしたところ、店員さんが「お子さんの作品は、ちゃんととっておくといいですよ。この年しか描けないものがありますから。」とおっしゃってくださった。ハッとした。
ママ友たちと「小さい頃から保管してきた子どもの作品をどうする?」という話をよくした。小学校を卒業する時、中学校を卒業する時、そういった節目節目に廃棄したという話も聞く。デジタルで残したという話も聞く。
我が家はマンション住まいゆえに、ものの整理が欠かせない。子どものいくつかの大型作品は、廊下の壁に貼ってある。別にうまくもなんともないが、味があって気に入っている。またそれ以外の絵とも言えないような保育園の時の絵から高校に至る絵や制作物は、今のところ、すべて保管しているが、一体どうしたものかと思っていた。しかし、店員さんのそのアドバイスで吹っ切れた。なんとか、子どもの作品群を保管しようという気になった。
デジタル化など、美術関連の世界も大きく変貌しているのだろう。しかし、私は道具から入るタイプで(笑)、鉛筆、紙、国内外のいろいろな画材を見ているとワクワクした。美術の世界は、きっと道具の性質を見極めて、それをどう操るかということも大切なのではないだろうか。美術系学生やプロの皆さんたち、美術を愛する皆さんたちも、真剣にワクワクしながら、お店の一つひとつの道具を見つめてきたのだろう。
柏は、様々なアートの担い手を輩出している地。それを支えてきた「いしど画材」の閉店は、私のような者にとっても残念で寂しい。
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