流山市が市内唯一の公立幼稚園を廃園にする理由は?附属幼稚園②

子ども・子育て支援

流山市が流山市幼児教育支援センター附属幼稚園を廃園にする理由は何でしょう?

流山市の資料を読んだ上でまとめてみると、大きく以下の5点にまとめられるでしょうか。

1、共働き家庭の増加により、保育園へのニーズが大きく、流山市内の私立幼稚園の充足は77.1%(2024年度)となっている。

2、私立幼稚園でも、すでに要配慮児の受け入れており、市内の要配慮児の9割以上が受け入れられている。

3、附属幼稚園をこども園にするとしても、私立こども園には運営費や補助金に対する公費の補助金が増加しているのに対して、公立は一般財源化されているため、市が一般財源から負担しなければならない。

4、附属幼稚園の園児数が減少しており、充足率が31.7%となっている。

5、幼児教育支援センターは存続・強化し、市内幼稚園・保育園に対して幼児教育・保育実践を支援していく。

 

しかし、これに対して上田から反論があります。

1、「どんな状況でも子どもたちを受け入れる」という「公立」の義務と役割がある。

確かに、流山市については、共働き家庭が増加し、保育園のニーズが増加しているのは事実でしょう。しかし、公立と私立では、その役割に違いがあると思います。公立の場合は、「入園を断る」ということはあり得ません。コロナが再び流行するような場合、私立であれば休園にするという判断ができるでしょう。

しかし、公立は、どんな時も最大限開園する努力がなされなければなりません。その義務と役割は、幼稚園より保育園の方が大きいかもしれません。しかし、大きな災害があったり、感染症の流行などの困難がある場合も、公立幼稚園・保育園は、市内のあらゆる子どもたちを支援し、受け入れる場になることが求められます。

 

2、私立幼稚園も要支援児を受け入れているが、障害が大きいお子さんの受け入れは、附属幼稚園が大きな役割を果たしている。

私立幼稚園も要支援児を受け入れてくださっています。しかし、「要支援児」という言葉の範囲は広く、これを「障害者手帳や通所受給者証をもつ児」の割合で見ると、

公立幼稚園(47.5%)

私立幼稚園(6.9%)

公立保育園(8.5%)

私立保育園(4.5%)となっています。

そのうち医療的ケア児の受け入れ人数は、

公立幼稚園(1名)私立保育園(2名)、公立保育園と私立幼稚園は0人です。

医療的ケア児を受け入れてくださっている私立保育園は、本当に頑張っていただいていると思います。そして、これらの数字を見てもらえば、公立幼稚園(つまり市内唯一の公立幼稚園なので附属幼稚園)が、要支援児の中でも障害が大きいお子さんにとって大切な場になっていることがわかります。

 

3、教育(人を育てる)ための予算を減らしてはダメ!

残念ですが、流山市が重視するのは、結局ここなのかなと思わざるを得ません。寂しいですが。確かに、人口増加に伴って、新しい小学校・中学校の整備に、相当な予算を使ってきたのは事実です。しかし、それは当然わかったことですよね。

以前、指定ゴミ袋に移行する件に関する流山市の説明会で市長に伝えました。「人口が増加すれば、『学校、ゴミ処理、病院』が不足するのはわかったことですよね?!にもかかわらず、人口増をよしとして、大型マンションの許可を含めて、ここまでの人口増加策を進めてきたのは流山市ではありませんか。」

流山市にとって、日本にとっても、人を育てるということは何よりも優先される政策の一つのはず。また教育の中でも、幼児期の育ちや就学前教育が、最も重要だということは、すでに常識です。この時期のあらゆる子どもたちに、しっかりと「幼児期を存分に幼児として過ごせる環境」を整え、保障していくことは、行政の責務だと思います。ここをケチっちゃいけない!!

 

4、附属幼稚園の充足率には理由がある。

今年度の附属幼稚園の充足率、確かに低いですね。しかし、説明会で、附属幼稚園の募集は、私立幼稚園の募集が終わった「後」に実施されてきた、ということが明らかになりました。これはフェアではない!保護者は、とにかく受け入れ園をちゃんと確保するために、私立幼稚園が始まったら、そこで決めようとするはずです。説明会で、このやり方はおかしいと指摘したところ、来年度の募集は、私立幼稚園と同時に説明会や募集が始まりました。

とはいえ、すでに保護者の間には「附属幼稚園は廃園する」という情報が広まっており、今年の応募がどうなるか心配です。園のホームページもあり、園で作成しているようです。しかし、「附属幼稚園の良さが伝わっていない!!!」というのが私の率直な印象です。

これまで、流山市が児童募集に予算や力を入れたとはとても思えない!その結果が、この充足率です。またこのブログで、附属幼稚園を視察させていただいた時の様子をお伝えしますが、素晴らしい園ですよ!私は、おべんちゃらは苦手。褒めるときは、本当にそう思っていなければ褒めません。それが私の性格です。園長先生やスタッフの皆さんの幼児教育へのしっかりした考え方や実践を伺って、本当に嬉しくなってしまいました。もっともっと、附属幼稚園の児童数は増加するはず!これが私の印象です。

 

5、幼児教育支援センターの強化は、附属幼稚園に関係なく、重要!!!

2023年流山市長選挙でも、私は幼児教育の質の向上が重要で、巡回保育指導者の活用や「みんなのサポートセンター」の設置などを訴えました。

市議会で、ある議員から市内私立幼稚園の不適切な指導について報告がありました。教育委員会からは「指導をしていく」という答弁でした。他にも、不適切支出や裁判になった園もありましたよね。もちろん、流山市内、このような幼稚園ばかりではありません。しっかりと取り組んでくださっているのは、上記2の数字からもわかりますよね。

しかし、説明会で、「これまで流山市の教育委員会は私立幼稚園への指導が行われてこなかった」という答弁があったのも事実です。確かに私立幼稚園の管轄は千葉県。流山市からの指導や助言は、ほとんど行われてこなかったのでしょう。しかし、流山市内の幼児教育・就学前教育の質の向上のために、流山市がしっかりと方針や基準をもって、しっかりと指導を行われなければならないと思います。

最近では、保育園や幼稚園で保育士による管理、性暴力など、様々な問題が起きています。対岸の火事ではなく、流山市自身もしっかりとした意識をもって、市内の園と共に、よりよい環境を保障するために取り組む必要があると考えます。

この問題についてのブログ、まだ続きます・・・!

上田恵子

 

 

コメント