NPO流山おやこ劇場主催の「永野むつみさん講演会」は、私自身の生き方にとっても、いろいろな気づきをもらった講演会だった。
知らず知らずに涙が溢れた。その気づきについて、今日はブログに取り上げる最後に、ある絵本について書きたい。
講演会の中には、いろいろな絵本が紹介されたが、その中の一冊が「おおきなかぶ」。
トルストイの「おおきなかぶ」、一度は読んだことがあるのではないだろうか?
「うんとこしょ、どっこいしょ」
大きなかぶをいろんな人が抜こうとするけれど、大きなカブはびくともせず、抜けない。
おじいさん、おばあさん、孫むすめ、犬、猫、ネズミが力を合わせる。
この本のテーマは、「みんなでちからを合わせることの大切さ」。
力を合わせないと生きていけないロシアらしいお話だ。
奇しくも、息子の保育園卒園式の日、保護者からの余興として、私たち親は、この「おおきなかぶ」の劇を選んだ。みんな大熱演!!子どもたちからも、大人たちからも大絶賛だった。
子どもたちは、この本が大好き!私も。
「うんとこしょ、どっこいしょ」のリフレインでは、必ず、子どもたちも大声で声を合わせる。
私は、特にこの物語のラストが好きだ。
いろんな人が力を合わせても、びくともしない大きなカブ。そこに最後、ネズミがやってくる。
何の力もなさそうなネズミが力をだすことによって、びくともしなかった大きなカブが抜けてしまう!、「ほんとかよ!」というラストが大好きだ。
ネズミなんて力がないという、こちらの偏見を見事に裏切るラスト。子どもたちには、ネズミにも力があるのかも!と思ってもらえそう。もしかしたら、家族の中で最も小さい存在である自分をそこに重ねる子もいるかもしれない。
小さい頃から、たくさんの絵本を読んでもらって、絵本に接してきた子どもたちは、たくさんの言葉を知っているし、いろんな言い方があることを知っているという。そして、想像の世界を広げることは、相手のことを想像する、思いやりにもつながっていくだろう。
最後に、永野さんが子どもたちに絵本を読んだり、人形劇をする時、保育園によって「みんなが同じ反応をする園」と「子どもたちが、それぞれバラバラの反応をする園」があるそうだ。唸ってしまった。子どもたちがバラバラの反応をする園というのは、「子どもたちが、いつも園で、自分の言い方が認められている」ということの現れなのだろうという指摘があった。その通りだと思う。
16歳の息子が保育園に通っていた頃には、10数園しかなかった流山市内の保育園が、今は100を超えている。流山市が、その「質」というものをしっかりと保障する必要があるだろう。
就学前の時期は、子どもたちが最も自由で、何の遠慮もなく、伸びやかに生きられる時期。その時期を、大人や社会の枠で縛られることなく、「自分のやり方」で、しっかり表現していけるような環境を確保するために、流山市も力を合わせ、その環境を整えられるような行政でありたいと思う。
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