愛知県西尾市での外国にルーツをもつ児童・生徒への支援に関する記事を皆さんと共有したい。

愛知県西尾市は、さまざまなメーカーがあつまる「ものづくりのまち」として知られ、外国籍の児童・生徒の数も全国平均に比べて多いそうだ。2025年5月1日時点で、小学生約6.6%、中学生約4.6%とのこと。
その西尾市では、多文化共生教育をすすめ、これら外国籍児童・生徒への支援として、「日本語初期指導教室カラフル」(市内2小学校に設置)と5歳から18歳を対象に、学校外での就学・進学・学習支援を行う「多文化ルームKIBOU」を設置している。以前、これらの場所を取材した様子をニュース番組で見たことがある。
カラフルでの出席は学校の出席日数として扱われるので、カラフル在籍3ヶ月の期間内、子どもたちは、週1日在籍校に、週4日カラフルに通うという。
その運営・指導において参考になると思ったのは、以下のことだ。
1)一人ひとりの子どもが「どこにスイッチがあるのかを探し続けている」。
2)保護者との緊密なコミュニケーションの必要性。
3)学校での勉強などと連携した「実践的」な教材や学び。
4)ロールモデルとなる人(先輩)とつなげていく。
5)社会人や高校生になった先輩の外国籍生徒から、現役の先生達に、当時の困りごと、助かったことなどを話してもらい理解を進める。
6)単に日本語の習得への指導にとどまらず、人間形成という大きな視野を忘れない支援。
そして最後に、多文化共生教育コーディネーターの川上貴美恵さんの言葉を紹介したい。
「『みんなで仲良くしよう』といったきれいごとのレベルではなく、同じ地域の中に住み、仕事をして学んで、ともに年齢を重ねていくわけです。一人ひとりが生きる力、いろいろな困難を乗り越えていく力を子どものうちから身につけることが必要ですので、地域ぐるみで連携して子ども達を支え、社会に送り出し続けたいと思います。」
気になるのは、「きれいごとのレベル」というくだり。私は「きれいごと」は大切だと思っている。議員の中にも、市民の中にも、「きれいごと」を嫌う人たちがいるが、私はそう思わない。
「きれいごと」の中には、必ず、そこに戻るべき原点があるからだ。たとえ、実態とかけ離れていても、私たちは「どこに向かって進むべきなのか」「本来はどうあるべきなのか」という重要な方向性は、この「きれいごと」の中にこそ存在している。だから、私は、「きれいごと」を決して忘れることなく、実践につなげていきたいと考えている。
さて、確かに言語という問題は大きい。私は、言語は「考える力」と連携していると思う。単に、話せるだけでなく、大人として生きていく上で読む力、書く力も重要だ。だから、しっかりと日本語を習得し、向上させていく努力が必要だ。
ただ、言語だけでなく、ここで書かれていることは、日本人の子どもたちにとっても大切なことが書かれているのではないか。特別なことではないし、反対に言えば、日本人の子どもたちの指導にとっても大切なことが示されていると思う。
流山市でも外国籍の児童・生徒が増えている。教育現場をしっかりと確認しながら、多文化共生教育コーディネーターの配置を含め、市内各校にいる「対象となる子どもたち全体」への支援のコーディネートをつくっていく必要がある。地域の皆さんの力もかりて、子どもたちがストレスを抱えることなく、気持ちよく流山市で育ち、友人との関係を築き、自立した社会人として社会の中で生きていく力を育むための支援をしっかりとつくっていく必要があるだろう。
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