先日友人が、「ちゃんみなのクロ現観た?」と声をかけてくれた。
1月19日のNHK「クローズアップ現代」で特集された「ちゃんみな」のこと。
NHK+はすでに終了しているが、NHKオンデマンドでは、明日2月15日まで観れる。
クロ現の編集版?:https://www.youtube.com/watch?v=8FAWftetBtI
いや〜、つかまれた!!!
ルッキズムだけでなく、日韓ダブルの自分のルーツからくる差別の経験。
たっくさんの痛みを抱えている。
それを波風立たないように黙っていたり、我慢したり、そんな社会だと流したりすることなく、
彼女は、
「それって、おかしいでしょ?」
「あなた、それ違うよね?」と、
心からきっちり怒っている。
それと共に、傷ついている自分や聴いているオーディエンスに、
「あなたが傷ついているのは、判断を相手に渡しているからじゃない?」
「何を言われようと、自分のことを自分が愛そうよ。」
「自分のかっこよさをわかっているのは、自分でしょ?」
「だったら、傷つくことなんてないじゃない?自分を表現しようよ!」
「何が美しいかは、私が決める」
と呼びかけてくれている。
苦しんで、苦しんで、狂うほど苦しんで、彼女は、その境地に達し、その境地を発している。
だから、彼女にしかできない表現なのだ。
実はあの日、ニュースのあとクロ現になって、ちゃんみなが出てきた時、そのグロテスクな衣装やメークに、「いいや」と、私はチャンネルを変えてしまった。正直、私の偏見でした。
昨年、出産したとのこと。今は、本当に大変な時だと思う。彼女が子育てを楽しんでいる様子もわかる。でも、彼女の発するメッセージ、声、歌のうまさを考えれば、本物を見分ける上田としては(笑)、彼女は世界の舞台が狙える。ぜひ、日本だけでなく、世界でも、発信してほしい。
早稲田大の先生が、ちゃんみな人気の背景分析で「若者は多様性の嘘くささを感じている」と指摘。
トランプ政権を支持する人たちも、多様性への反発が大きく働いている。
ドイツをはじめとした、移民政策が、大きな政治課題となって、政治の選択に影響している。
不寛容が世界を覆っている。
しかし、この歳まで生きてくると、社会は多様なのだとわかる。
自分は自分でしかない。
いろんな人がいて、いろんな価値観があって、いろんな欲もある。
隣りにいる人の格好や生き方や考え方は、自分には絶対に理解し難いものであっても、同じ社会で互いを傷つけることなく生きていくことは可能だし、そのための工夫をすべきだと思う。
自分が大切だと思うから、相手も大切にできるような社会をつくる方向に、社会を動かしていきたい。
不寛容になって、誰かを排除し、傷つけるのではなく、みんながちゃんと気持ちよく、生きていける社会であってほしい。そういう社会は可能だ。若い人たちが、その方向に向かってくれると嬉しい。
私が、好きな言葉の一つは、
「私は、あなたの考えには反対だ。しかし、あなたがそれを言う権利は、命を賭しても守る。」
ヴォルテールの言葉とされている。
この言葉は、多様性のある社会の根幹になくてはならない。
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