流山市内開催、山中光茂医師の在宅医療に関する講演会に参加。2025.05.18公開

健康・医療

17日(土)、山中光茂医師の在宅医療に関する講演会に参加した。

現在、全国に約13000ほどの在宅診療クリニックがあり、その数は増えている。しかし、形式的に24時間365日対応となってはいるものの、その質が担保されておらず、本当に「家で最期まで、断ることなく診る」在宅診療クリニックではない「なんちゃって在宅診療」も多いという。

そのため、1950年代、在宅看取り率は80%程度だったが、1976年には50%、現在では約16%で、在宅医療クリニックは増加しても、在宅看取り率は増加していないという。看取り率が70%以下のクリニックは、やめた方がいいだろうとのことだった。

在宅医療へのコンタクトは、病状変化が悪化してからではなく、早いうちに入れていくといいそうだ。それほど悪化していない時期から在宅医療を入れ、安定した時の値を把握してもらっておくことが良いようだ。

相性があるので、相性が合わないなら、すぐに変えると良いとのことだった。

山中医師によると、医療の技術によって、痛みや不安を取り除くことができる。その技術をきちんともった医師にお願いすることが大切であるという。

いい在宅診療クリニックが地域に生まれると、いい訪問介護、訪問薬局など、全体的に育っていくという。ちなみに、山中医師のクリニックがある江戸川区は在宅看取り率が28%に増加しており、日本で3本の指に入る地域となっているそうだ。本当に最後の最期まで対応する医療の実現には、医療者の覚悟が必要だという。その通りだろう。

最期の最期になって救急車を呼ばれたり、病院に入ることになったりするケースがあるが、かかりつけ医にきちんと「最期は自宅で」ということを伝えておくことが大切だ。

第二部では、地域での実践について、在宅医療クリニックの医師、在宅医療の看護師、ケアマネジャー、患者、それぞれの立場からの発言があった。

在宅医療については、多職種の連携が大切。介護する家族を支援するためにも、病状が安定している時に、介護する家族を休ませるためのレスパイト入院なども必要があるとの指摘があった。そのほか、デイサービスやショートステイなども、うまく使っていく必要があるとのことだった。

看護師からは、自分の最期についての意見は変わっていい。患者さんの願いを傾聴し、それを実現する看護を行なっていくとのことだった。

ケアマネジャーからは、独居の方でも、多職種の連携によって、自宅で最期を迎えることは可能だということだ。自宅での最後は、家族が大変でも、ちゃんと自宅で最期を看取ることによって、後悔なく、救われることがあるという。だから、「(自宅での最期は)大変でも、大変で救われる」という言葉が印象的だった。だから、ケアマネジャーにしっかり相談してほしいとのことだった。また、自宅に帰宅することによって、余命が伸びるということがあるという。「自宅の力は大きい」とのことだった。

不安や痛みを取り除くことも、在宅医療に医療技術よって可能であるという。適切に医療技術を使うことによって、緩和や延命をきちんとやることができるとのことだった。

会場の参加者は、高齢の方が多いという印象だった。「最期は自宅で」という方が半分くらい、そのほかが「病院で」という感じだった。以前のブログにも書いたように、流山市内では、在宅診療を行なっている医療機関もある。しかし、量的にもまだまだ十分とは言えないのではないだろうか。

急激な人口増にある流山市。病院数も十分とは言えない。個人的には、在宅医療はまだ現状では、簡単な選択肢ではないと思う。しかし、いい医師らのスタッフがいる在宅診療クリニックに出会うことができたら、幸せなことだという印象をもった。少なくない人が「自宅での最期」を希望する中で、確かな「質」のある在宅医療クリニックを増やしていく努力が行政に必要だと思う。

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