部活動の地域移行について考えたい。
柏市では、土日の部活動の地域移行が実施済みとなっているそうだ。一般社団法人柏スポーツ文化推進協会が請け負っているという。それでも、クラブ指導者304人のうち168人(約55%)が教員による兼業となっているようだ。土日どちらか3時間を目安とし、時給1600円を支給しているという。
昨日のブログにも書いたように、部活動の顧問になることが教員にとって大きな負担になる場合もあれば、部活動の指導者になるために教員になったような方もいる。柏市のように、少なくとも土日の部活動については地域移行を進め、部活動の指導者として活動したい教員は「一指導者」として契約し、別途、報酬を支払う形にするのが妥当だろう。
そのためにも、部活動の位置づけをきちんとしていくことが必要だろう。
本来の部活動は、「自主的な参加」であり、「体力や技術の向上」、「仲間とのつながりや団体の運営を通して、チームワーク、リーダーシップ、問題解決能力などを身につけること」ではないだろうか。
まず「自主的な参加」であることをきちんと確認したい。部活動をしないことが内申書などで不利になってはいけないし、土日に博物館に行くなど、学校では学べない学びをするのも、とてもよいことだ思う。千葉県は「部活動の比重がかなり重い」という印象をもっている。部活動が評価されることは良いが、そうではない活動や学びにについても評価できる仕組みをつくっていくことが必要だろう。
自主的な活動であるはずの部活動は、そこに「大会」が入ってくるために、ややこしくなる。部活動の「成果」が大会の結果という形で測られる。また教員にとっても、その結果が指導者としての評価につながる。子どもたちの中には、将来、プロ選手として活躍したい子どももいる。そのような本格的に技術を向上させたち子どもたちは、バスケットボールやサッカーなど、地域の「クラブ」を支え、そこで技術や練習を積むことができ、大会などで評価されるようにする環境を行政が支援していくことも必要だろう。
私は、生涯にわたって体を動かしていくことは大切だと思っているが、特に高校生までは、しっかり体をつくることが大切だと思っている。そのためにも、本来なら部活動はうってつけだ。一方で、誰もが大会で勝つためにスポーツをやりたいわけではない。
2023年の流山市長選挙の際に、
◯部活動のあり方を改革
部活動は、子どもたちや保護者と話し合いながら改革します。教職員で熱意がある指導者が指導を継続できるようにしますが、外部指導者の導入も検討します。競技目的ではなく、体づくりのためのジョギングやヨガなど、スポーツが嫌いにならない部活動もつくります。
という公約を挙げた。我が家の子どももそうなのだが、体力がない子どもたちもいる。そういう子どもたちこそ、しっかりと体を動かす環境が必要だが、大会で勝つことが重視されている現在の部活動には、居場所がない。だからといって、体を動かさなければ、体力もつかない。
というわけで、ヨガ、ジョギング、ストレッチ、ダンスといったことを内容とするスポーツ・クラブを設置し、外部からの指導者による指導によって、勝ち負けではない形で、体を動かすことを目的とする部活動を設置してはどうかと思っている。体を動かす楽しみをしっかりと身につけると、生涯かけて体を動かすことが苦にならないと思う。内容によっては、子どもたちだけでなく、地域に開かれた形にしてもいいだろう。
先生も、生徒も、部活動への参加は、「選択できるもの」であってほしい。特に、先生たちは、義理などで強いられることがあってはならない。一生懸命、限界まで頑張る部活動があってもいいし、もっとゆったりと楽しむことを目的とした部活動があってもいいだろう。
それを実現するためには、地域移行に関連する予算が必要だ。国が地域移行を進めていく方向性をとっており、予算措置についてもきちんと確保してほしい。指導者については、簡単な仕事ではない。責任も重い仕事だ。怪我、雷など、安全管理などルールもしっかり整備することが必要だろうし、研修も必要だ。
一方で、部活動の指導者は、面白い仕事でもある。子どもたちに心技体を指導し、その成長を見守ることができるというのは、指導者冥利に尽きると言えるだろう。しかし、学校外に指導者を見つけることは、簡単ではないという印象をもつ。特に、地方では。流山市でも簡単ではないだろう。
地域における「運動や芸術の経験者」を発掘・確保したり、可能なら経験のある保護者が担当するなど工夫し、柏市のような形で、そのような指導者にきちんと謝礼を払えるようにしていく必要があるだろう。
生徒にとっても、教員にとっても、苦痛ではない部活動をつくっていくチャンスだと思う。
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