頭を使わず、諦めさせようとする大人たちを流山市から吠える。2025.04.01公開

また高校入試に関連して、嫌なニュースが聞こえてきた。

香川県の私立高校の入学試験において、私立高校との交渉にあたった中学校長から、車いすを利用する男子生徒側に「合格しても入学しない」との確約を求められていたことが報道されている。

この生徒は、私立高校に入学希望であったようだ。しかし、エレベーターがないことなどを理由に、中学校長を通じて「受け入れは難しい」と回答される。その後、生徒は、公立高校へと志望を切り替えている。そして、「合格しても入学しない」ことを条件に受験だけでもできないかを、中学校長を通して打診。「合格しても入学しない」ことを約束したことで受験を受け入れられ、合格している。

高校が「義務」教育ではないことをいいことに、こうやって平気で排除される。

神戸新聞:

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文部科学省は、改正障害者差別解消法に基づく対応指針で、「正当な理由なく障害者だけに条件を付けるのは不当な差別に当たる」としている。

現在、エレベーターやスロープがなく、車いす利用者が入学することで、その整備費がかかるということが「正当な理由」になるか否かを文部科学省はきちんと明示すべきだ。

そして、それは「正当な理由にはならない」が、答えでなければならない。

また香川県知事が、会見で「障害者と学校側が十分に話し合い、共に対応を検討することが最も大切だ」と述べているが、これも全く回答になっていない。

もちろん、話し合いは大切だ。そんなことは、知事が話さずしても当然のこと。

知事ならば、「このような事案については、県としても財政的な支援を含め、全面的に車いす利用者である学生の学習環境整備に取り組むので、ぜひとも、学校と相談しつつ、県にも相談してもらいたい。そのことを公立、私立に関わらず、周知していきたい。」

と明言し、実行するのが、知事の役割ではないか?

知事が無責任だからこそ、私立高校が、こういった差別的な対応を平気で取るようになってしまう。

「今、整備されていないから、できません。」という回答がまかり通るなら、法律も制度も敗北だ。

私立高校の対応も、中学校長の対応も、間違っている。

私立高校側は、このような打診があった場合、合否に関わらず、本人や保護者と話し合い、「現状で何ができて、何ができないか」を確認しあい、その上で、中学校での実践を参考にしながら、代替案や工夫ができないかを話し合うべきだった。そこに、中学校長が役割を果たすべきだった。また代替案や工夫では対応できないような状況があるとしたら、県や国と相談しながら整備できないかを生徒と保護者、私立高校、中学校が共に検討すべきではなかったか。

それができずして、教育者を名乗れるのか?

今、整備されていないことを理由に、努力し、入学する能力をもつ生徒を排除し、入学を諦めさせようとするものたちを教育者と呼べるのか?

この生徒が、最終的に、どのような進路を選択するのかは、わからない。

しかし、伝えたいのは、この悔しさをバネにしてほしいということ。

どのような選択でも、これからの3年間を十二分に充実したものにして、自分の願う道をしっかりと歩んでいってほしい。そして、頭が硬く、無責任で、何も動かすことができない大人たちを尻目に、あなた自身は頭を使い、人々が幸せに暮らせる社会を「つくる人」になってほしい。

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