流山から殺人事件を起こした15歳少年の更生を切に願う。9月11日発信

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9月10日のニュースで、気になっていた事件の一つに決定が下った。今年5月に起きた、千葉市で起きた、15歳の少年が面識のない高齢の女性を殺害した事件だ。

「家族から離れたかった。」「少年院に行きたかった。」「誰でもよかった。」という加害少年の言葉が報道された。事件直後に、この事件について、当ブログで取り上げた。

千葉市で発生した15歳による殺人事件。流山から思う。 - 上田恵子(ウエダケイコ) | 選挙ドットコム
昨日の第一報から、とても気になっていた千葉市で起きた15歳の殺人事件。読売オンライン:少しずつ、いろいろな情報が出てきている。「複雑な家族関係」「家族が警察に定期的に相談していた」「家出や遅刻」いろいろな背景がありそうだ。とはいえ、...

この15歳の犯罪が、どのように判断されるか、とても気になっていた。彼は、精神状態を調べる鑑定留置を受け「責任能力がある」と判断され、家裁に送致されていた。

その上で、刑事処分(刑罰)が相当と判断する検察官送致(逆送)されるかどうか、注目していた。最高裁判所によると、これまで「逆送」となったのは、ほとんど16歳以上で、14〜15歳については、2001年〜2024年で4人なのだそうだ。

裁判長は、この少年について「(逆送することも)考えられないわけではない」としつつ、「矯正の可能性もないとは言えない」として少年院送致という保護処分を判断した。一方で、「相当長期間の処遇が必要」だとも指摘している。少年には、裁判長の判断の重さを理解してほしい。

判決文を読んでいないので、ここからは私見でしかないが、「自分が家から出たい」「少年院に行きたい」という身勝手で自己中心的な思考だけでなく、当ブログで指摘したように、この少年が「誰でもいい」と言いながら、「確実に、自分の手に負える、高齢女性を狙っている」という彼の思考を判断しているのではないだろうか。

私は、少年法の精神は極めて重要だと思っている。近年、少年少女について、厳罰化しろという声が大きくなっているのは承知している。しかし、残念なことに、多くの人には理解できないような劣悪な生育環境や人間的未熟さから生まれる事件は、現に存在する。だからこそ、少年法の年齢を引き下げることには反対だ。彼らが、もう一度「育ち直す」ための環境と真っ当な環境の中で「生き直す」チャンスが与えられるべきだと思う。

この少年は、刑罰ではなく保護処分とされ、自分が「望んでいた」少年院に入ることになる。少年院に入って、どう罪と向き合えるか。そして、人として、どう成長できるか。少年院から出て、どう自立していけるか。ここが鍵だろう。

以前、国会議員政策秘書をしていた時、少年法の厳罰化の議論の中で、少年院の指導を行う専門職員である法務教官で、法務省へ出向していた方と熱く議論したことを思い出す。自分たちの仕事の大変さと大切さを認識し、真剣に、熱く、犯罪を犯した子どもたちのことを理解し、「生き直す」ために取り組もうと取り組んでいる思いに接した。いい議論だった。その法務教官の皆さんに、「少年が罪と向き合い、生き直し、生き直した先に自分自身の希望をも見出せるようになる」という大変な仕事を託したい。

今は、このような形で命を奪われた女性のご冥福を祈ると共に、私の息子とも歳が離れていない15歳の少年が、自分が起こしたことに生涯をかけてしっかりと向き合い、人として成長し、自立することができることを願うばかりだ。

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