流山市在住イラストレーターsandyさんの日めくりカレンダーによると、11月25日は「女性対する暴力根絶のための国際デー」。今年4月には「困難な問題を抱える女性への支援法」が施行した。
私は、これに先立つ2023年12月議会に、困難女性支援法に関する請願を提出したのでご紹介したい。
請願内容3項目・・・
1 流山市において、女性たちがどのような問題に直面し、困難を抱えているかに関する大規模な社会調査を実施するための予算を流山市2024年度予算において確保し、実施すること。
2 困難な問題を抱える女性の効果的な支援について、国、千葉県及び周辺自治体と協力し、調査研究を重ねること。
3 困難な問題を抱える女性への支援について、流山市民の理解を深めるため、並びに支援が受けられることを周知するための教育及び啓発のための予算を流山市2024年度予算において確保し、実施すること。
請願は、教育福祉常任委員会において検討され、採択2不採択2の可否同数となったため、楠山委員長(当時)の判断で、1と3については不採択、2については採択となった。確かに12月は翌年予算が出来つつある時期であるものの最終決定されたわけではない。必要な課題が提起されたなら、そのための予算を押し込むことが市議会の役割だと思うので、この判断は残念だった。
今回の請願でわかったこと・・・
流山市では、女性からの相談を
① 虐待DV防止室 ② 男女共同参画室 女性の生き方相談
の二つの窓口で受けている。
相談実績としては、2022年度 DVが83件、シェルターへの避難希望5名
女性の生き方相談は、2022年度164件、2023年度235件
流山市の課題は・・・
・希望に沿ったシェルター確保が難しい。
・他市、県、国との連携
・流山市の虐待DV防止室、男女共同参画室、その他部署との連携
上田恵子の感想・・・
・今回の請願で、女性たちの困難な現状を示す数字が明らかになったことは大きい。ただ、この数字は氷山の一角でしかないだろう。さらに相談等への案内など、「声をあげていいんだよ!」と、困難な問題を抱える女性たちにリーチしていく活動が必要。
・女性たちを保護するためのシェルターをはじめ、他市、県、国との連携は不可欠。とくに東葛地域での支援体制の構築が必要。
・問題が解決せず、継続する案件もあるとのこと。このような問題は、簡単には解決できないことが多い。だから担当者は負担が大きい。それでも状況を少しずつでも改善するために、シェルターなどの現場で取り組む専門スタッフ、心理職、専門の弁護士などの協力体制をしっかり創ることが必要。
・より広く、流山市の女性たちの現状を把握するためには、広く社会調査を実施することは不可欠と思われる。その結果を通して、さらに流山市の施策を練っていく必要があるだろう。
・流山市は、千葉県が2024年度末までに明らかにする予定の「困難女性支援法に関する基礎計画」を受けて、検討するとのことだった。しかし、これまでにも流山市が取り組んできた案件や傾向等は分析可能である。私は、政策秘書として、国会でシェルター活動の支援のための行政交渉をはじめ、この問題に取り組んできた。この問題については、阿部議員も指摘された通り、国会で長年議論されてきた。そのプロセスの中で、課題や取り組むべきことは明らかになっている。これらの国の議論を流山市における現状と照らし合わせながら、流山市の課題について明らかにすることは可能であり、実施すべきと思う。
・流山市は、女性たちをめぐる問題が複雑かつ多様になっていることへの認識をきちんともっているようだ。そのような問題に対処するためには、コーディネーターの設定、それが市職員であるならば、問題に対処するための総合力をつけるべく、研修を重ねていく必要があるだろう。
・流山市は、「重層的支援体制整備事業」を今後整備する予定とのことだが、その実施内容、進捗状況を確認する必要がある。
・流山市の現状では、経済的困窮の場合には、就労支援、生活保護申請、住居確保、社会福祉協議会での貸付案内、フードバンクとの連携などを案内しているとのこと。そのコーディネート能力が重要になってくるだろう。
<参照>困難女性支援法の下で支援している「かにた婦人の村」訪問記:
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