オーストラリアは16歳未満SNS禁止!を流山市から考える。

子ども・子育て支援
6 Children from all over the world drawing a world map on the street. EPS 10 vector illustration with transparent cast shadows (on separate layer) of the children on the street.

NHK第一ラジオ、マイあさ!」12月23日 大阪大学社会技術共創センター特任准教授工藤郁子さんの報告より。

11月30日付の上田恵子のブログでご報告した通り、オーストラリアは、16歳未満のSNS利用を禁止した。禁止されるのは、X、Facebook、インスタグラム、TikTok。

ただし、16歳未満の子どもがSNSを利用したとしても処罰の対象にはならない。一方、SNS事業者に対しては、子どもがSNSに接続するのを阻む特別措置を講じる義務があり、違反すると、日本円で約49億円の罰金が課される可能性がある。1年後に施行。

オーストラリアでは、中毒性のあるコンテンツに長時間、子どもを晒して広告収入を得るのは問題だという問題意識があるという。また、16歳がダイエットの結果、アルゴリズムによる過度なダイエットのコンテンツに繰り返し接したことによって、摂食障害を起こし、自死した事件の影響もあるようだ。また悪質ないじめや性被害などを勘案し、世論調査によると国民の77%が法案に賛成してる。

問題は、年齢確認の技術が十分ではないこと。子どもの権利条約にある、子どもが知る権利を阻害している恐れがあること。SNSにアクセスすることによって、地方に住むLGBTQ+の子どもたちや障害をもつ子どもたちなど、子どもたちの居場所を奪ってしまうことになる恐れがあること。18歳になって突然、中毒性のあるSNS に接することの危険性、などが挙げられる。

オーストラリアだけでなく、フランスでは運営会社に対して、保護者の許可がない15歳未満の接続制限を求める法案が成立、イギリスでは、サイト運営企業に、18歳未満が自殺や暴力といった情報を見られなくすることを義務づける法律が成立している。日本でも、青少年保護の観点からオン法制度やガイドラインがある。

メタでは、SNSが子どもたちに有害な影響を与えていることが把握しながら、その対応を怠ったとして、内部告発があり、大きな問題となり、議会で公聴会が開かれたこともある。

工藤准教授は、子どもの人生に起きるであろう障害やトラブルに対して、親が先回りして排除し、コントロールしたくなるが、その衝動を抑えて忍耐に置きかけてはどうかという提起があった。また年齢によってリスクを負って、挑戦し、新しい場所に行くことをガイドする方がよいのではないかという提起があった。

私は、16歳未満の子どもたちがSNSを利用する必要はないと思っている。自分の子どもにも16歳で携帯を渡した。学校でメディアリテラシーを勉強し始めているので、いろいろな弊害を意識している。16歳からの携帯デビューだったので、現在、使用頻度は高いけれど、夢中になって勉強などをしないという状態にはなっていない。一応、コントロールできているようだ。特に、高校受験の時に携帯を持たせなくてよかったと思っている。ただし、教科によっては動画を見る必要があったので、その際には私の携帯を使用してもらった。だから、あまりSNSなどについて親子ケンカするということはない状態だ。

SNSには中毒性があるということを大人も子どももしっかりと理解しておく必要がある。そして、子どもを被害者にも、加害者にもしないために、子どもがSNSとどうつきあうのか、日本でも議論が必要だ。

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