60を超えるドイツの大学・研究機関がXについて提起したこと。

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60を超えるドイツ語で教育する大学と研究機関が、1月10日、「プラットフォームのXを利用しない」とする決定を表明した。

その理由は、Xのあり方が、利用停止を表明した大学および研究機関が重きを置く価値である「世界に対する開放性、科学的誠実さ、透明性、民主的な議論」と相入れず、「多様性、自由、科学を推し進める価値観がXによって支持されていない」と判断するからだという。そして、「Xのやり方は、このプラットホームが、もはや公正な議論を後押しする責任を果たしていない」と断じている。

1月9日には、イーロン・マスクが、ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のアリス・ワイデル共同党首とライブチャットを実施していることへの明確な拒否の回答とも言えるだろう。

イーロン・マスクは、自らの性転換した子どもを「死んだ」と否定し、反トランスジェンダーの発言をつづけている。しかし、一方で、アリス・ワイデル共同党首が、党として移民や難民の排斥を訴えながら、自らはスリランカ出身の移民である女性と同性愛のパートナーシップを築いていることについては否定しない。このようなダブルスタンダードが、まかり通っていることは受け入れられない。まるで、自分達だけは「特別に許される」と言わんばかりだ。自分達だけは許されて、権力を持たない人々のそれは否定される。そんなことは許されない。

ゲーテ大学フランクフルト校は、60大学・研究機関の発表に加えて、

「イーロン・マスク氏によるXの買収以降、オーナーの世界観に一致する情報が優先されるようになり、Xは建設的な意見交換の場から偽情報のための道具に変わった。」とも発言している。

その通りだ。

ドイツには、問題の本質を明確に示す知性が存在している、機能している、と実感した。

潜入取材として、初めてXに登録してみたジャーナリストは、何も入力しなくても、すぐにイーロン・マスク関係の情報がどんどん入ってくることを確認していた。Xは、イーロン・マスクの単なる宣伝道具になっている。

一方で、私もXを使用している。そこで繋がり、共有できた情報がある。そこにジレンマを感じている。

判断しなければならないだろう。

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