「ごんぎつね」という絵本がある。小学生は、国語の教科書にもでてくる。
この物語、最後に、ごんぎつねが鉄砲で殺されてしまう。
(子どもたちにとって、その悲しさ、物語によって受ける)その「傷」が感動になる。
この指摘にハッとした。
私も、毎晩毎晩、本当によく本を読んだ。
絵本選びには、親の直感が働く。私は、いつもハッピーエンドの結末を選んでいたような気がする。
先日、わらしこ保育園20周年記念の講演会で、絵本についてのお話を聞いたので、息子に「どの絵本が心に残っている?」と聞いた。驚いたことに、「やまたのおろち」「スーホの白い馬」「たつのこたろう」「ぐりとぐら」・・・が続いた。
「ぐりとぐら」は楽しい話だけれど、「やまたのおろち」は恐ろしく、「スーホの白い馬」は本当に悲しい結末。その本が、16歳まで心に残るんだ・・・と驚いた。永野さんがおっしゃる通り。悲しい物語、怖い物語、心に残る「傷」がしっかり感動として残っているということか!
絵本を選ぶ直感には、親の価値観がしっかり反映している。男女の描き方、がまんの描き方など。
永野さんのお話を聞きながら、時々、親自身が、その価値観を棚卸して振り返ることが、親自身にとっても大切だと思った。
今は、ネットでもいろんな絵本の紹介がされているけれど、一冊の絵本をどう読む(解釈する)かなど、同じ園の親たち、友人たちで話をする場所をつくるのもいいかもしれない。自分とは全く違う解釈がありうるから。
コロナの前まで、鰭ケ崎小学校の読み聞かせの大先輩たちが、年に数回、「大人のための読み聞かせ」をおこなっていて、私は、毎回とても楽しみにしていた。彼女たちの選ぶ作品は、色の描写など、大人だからこそ想像できる、すばらしい作品が選ばれていて、「読み聞かせは、大人にとってこんなに楽しいのか!」と開眼させられた。
面白かったのは、グリム作品の時。その作品は結末が明確ではなく、謎のまま終わる。休憩になって、話者のところに、私を含めて3人の観客が集まってきた。驚いたことに、結末の解釈が、三人三様、全く違っていたことだった。みんなで大笑い。それが本当に面白くて、唸ってしまった。まさに、これが名手グリムの面白さなのだろう。
永野さんのお話を聞いて、絵本を読み終わった後、子どもと、もっと絵本の話をすればよかったと後悔!
絵本を読みながら、時に子どもより早く寝落ちしているような母だったので(トホホ・・・)、絵本について、子どもとゆっくり話さなかったな・・・と、今さら激しく後悔(笑)。「たつのこたろう」なんて、なぜ、たろうの母が龍にさせられたのか説明なんかしちゃって、最悪な母だった・・・なんてことを思い出した。なぜ、母が龍にさせられたのかは、大切なことだんだけど!いつか、子どもが、自分自身で、その理由を理解する時が来るということをわかっていなかった!
子育て現役の方へ。ぜひ子どもたちと絵本の物語について、しっかりお話ししてください。子どもたちの話をしっかり聞いてくださいね!
コメント