2月5日、NHK-BS世界のドキュメンタリーで、「思春期のあなたとともに オランダ ジェンダークリニックの日々」を観た。
今、日本にとても必要な場所だと実感した。
肉体が性的に変化してくる思春期。誰しも、その変化に戸惑う時期だ。
しかし、その変化していく体(性)と自分自身に、受け止められないほど大きな違和感が生まれていく若者たちがいる。
日本にも、流山市にも。
しかし、性的にも十分な知識がない若者たちが、自分の性との違和感に、どう向き合うべきなのか、相談する場所がない。
もちろん、教育相談、学校との相談というのはあるだろう。しかし、そのどこにも「専門家」がいないのが、今の日本だ。
オランダのジェンダークリニックのスタッフたちは、丁寧に、子どもたちの話を聞いている。
何度も何度も、時間をかけて。
それがとても大切なのだと思う。
カウンセラー自身が性の多様性をもつチームで、若者たちを傷つけることなく、その発言の一貫性を確認している。
また何度も問われ、話すことは、若者たちが、自分と向き合うことにもつながっていると思う。
知的障害をもつ若者にも慎重に確認が行われていた。
スタッフの一人がこう言う。「自分の人生は自分で決めるもの。他人の意見に流されないでほしい。」
カウンセラーたち自身も、互いに不適切な発言などがあり、それを互いに指摘し合う。その居心地の悪さ。
一方で、不適切さが起きた時、インクルーシブであるためには、互いに学び続けなければならないとも言っていた。
最後に、このジェンダークリニックをまとめる人物の言葉が印象的だった。
「人生には、苦しみがつきもの。その苦しみのすべてが悪いとは限らない。苦しみによって本当の自分と向き合い、成長できる。」
思春期の性との違和感。今の日本では、それに向き合い、対応してもらう環境が整っていないために、自死を選ぶ子どもたちもいると聞く。性の問題をタブーとせず、専門家の力を借りて、戸惑い苦しむ若者たちを受け止めて、その生き方の決断を支える場所が、日本にも流山市にも必要だと思う。
NHK-BS世界のドキュメンタリー「思春期のあなたとともに オランダ ジェンダークリニックの日々」
再放送あり。HPにて、ご確認を!https://www.nhk.jp/p/wdoc/ts/88Z7X45XZY/schedule/
コメント