文部科学省の中教審の作業部会が、中間案をまとめて、デジタル教科書を「デジタル教科書」を正式な教科書と位置付けることを明らかにした。なんということか!と思っている。
NHKデジタル・ニュース2025年2月16日:

流山市では、すでに全小学生・中学生へのタブレット配布はおこなれている。高1になる息子は、紙とデジタルの両方の教科書を使っていた。
子どもたちは、すごい勢いでデジタルに慣れている。大人の私が、画面の前でフリーズしているのに対して、息子は、いとも簡単に対応してしまう。デジタル・エイジとはこうなんだと驚かされる。
息子は高1、漢字や計算を紙で行って、コロナ禍は小6になる春から、リモート学習があった世代だ。このリモート学習で、一気に学校でのデジタル化も進んだのではないだろうか?
私の私見では、デジタルで漢字や計算の宿題をした世代は、紙で宿題をした世代より、学力が劣るのではないかとみている。特に漢字。デジタルでドリルをやっていた世代は、漢字を十分に覚えられていないのではないかと考えている。
2024年4月26日の教育新聞「【北欧の教育最前線】デジタル教科書の見直しへ スウェーデン」によると、スウェーデンでは、紙の教科書への回帰が起きているという。
教育新聞2024年4月26日:

デジタル教科書は、音や動画を使ってリアルな内容が理解しやすい一方で、紙の教科書の方が、見直しやすく、要点を思い出しやすく、内容をよく理解でき、読書時間が長くなる傾向があるそうだ。
また、幼児期にデジタル・デバイスに慣れてしまうと、「現実の大人との直接的な関わりが減り、言語発達、注意力、社会的スキルの発達が妨げられるといった批判もあった。」という。
また、私が懸念するように、「低年齢の子どもたちでは、手で文字を書く練習が不足することで、運動能力、脳の活性化、言語発達などが低下することが懸念された。」という。
因みに、世界保健機関(WHO)の勧告では2歳未満の子どもにデジタル・デバイスは使用させず、2歳以上の未就学児も1日1時間未満に制限すべきとしているという。この時間は、日本の統計においても、幼少期にある子どもたちが、1日1時間以上、はるかに長い時間、デジタルデバイスに接していることが報告されている。
例としては、上田恵子の過去のブログより:

鹿児島市内の医師の調査では、1〜6歳の全年齢で、3割以上が1日にスマホを1時間以上触っていて、6歳児では4分の1超が1時間以上ゲームをしていたという。
教科書会社が多額の投資の上で、デジタル教科書を導入しているのもわかる。それをうまく利用できる分野もあるだろう。英語のヒアリングや参照情報などへのリンクは、とても使いやすい。しかし、デジタル教科書へのシフトは、首長らが注目を浴びるために、ICT化の波に遅れていないことをアピールするために実行しているとしたら、取り返しのつかなり事態を子どもたちにもたらすだろう。特に、日本語の習得に禍根を残すように思う。
学力テストの結果や学校現場での子どもたちの様子をしっかり見る。
新しいものが、必ずしも、人間にとって良い効果を生むわけではない。
子どもの成長にとって、何をどのような段階を経て習得するか、脳科学など、さまざまな専門家の分析を参考にする。
子どもたちが学力を伸ばせる環境となっているのか、首長、教育長らの責任をもった判断が必要だ。
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