4月14日の朝日新聞朝刊に「YOSS(ヨース)」が紹介されている。
担任の先生や養護教諭が、不登校、衣服の不自然さ、家庭状況など、児童一人ひとりの「気になる程度」を点数で入力する。その結果を、人工知能が判別し、アラート(警告)してくれるというものだそうだ。
私は、2023年の流山市長選挙の際に、「アプリ「こころの天気」はやめます。」という公約を入れている。この「こころの天気」は、子どもたちが今日の自分の感情指数を晴れ、曇り、雨などから選んで、アプリで入力し、担任の先生たちが活用するものらしい。
意味ないでしょう。
嫌な気持ちの子が雨と記入することもあるだろうけれど、子どもたちが、いつも正直に入力するとは限らない。それも自分のためにではなく、親のため、大人たちのために、「晴れ」と入力しがちであることくらい、大人なら誰でもわかるはず。
そして、そんなものに頼らなければならない人は、教師にならない方がいい。流山市内の先生で、そのようなものが必要な先生がいるのだろうか?
私も、大学の教室で教えたこともあれば、小学校で読み聞かせをしたこともある。ざっと見る。小学校の規模の教室なら、まず、朝、一人ひとりをざっと見る。そこで大抵のことが見えてくるものだ。子どもたちの落ち着き、表情、集中力、身だしなみ、などなど。
もちろん、若い先生は最初は慣れなくても、じきに見えてくるものだ。そういう「勘」が鍛えられなければ、先生はできないと思う。
だからこそ、そのような無駄なものに予算をかける必要はないし、一体誰が導入しようとしたのか、とすら思う。
一方で、このYOSSだが、これは、子どもたちが自分で入力するわけではない。先生たちが、日頃の子どもたちの様子を見る中で入力していく。
大切なのは、このYOSS診断に沿って、全児童を対象に、「スクリーニング会議」を開くことだ。気になったことを立ち話などで話して、何となく共有しつつも、きちんと対応しなかったのではなく、じっくりと一人ひとりについて見つめて、検討する。それが大切だと思う。もちろん、時間的にも大変だろう。しかし、このような時間をもつことで、子どもたちのサインを複数の眼で見つめて見逃さず、子どもたち一人ひとりについて向き合って、観察し、複数の眼で確認することが必要だと思う。
このような技術の採用には賛成だ。
大切なのは、担任の先生だけでなく、多くのスタッフで共有すること。児童相談所やスクールカウンセラー、教育委員会などとも共有しながら、対応することだ。担任の先生だけに背負わせるのではなく、専門家を総動員して対応していく。そして、できるだけ柔軟に、できる限りの支援を行なっていくことだ。それは、保護者の支援であることも多いだろう。だからこそ、行政の組織を横断して取り組む必要がある。
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