流山からセバスチャン・サルガドの死を悼む。2025.05.25公開

自然・環境

セバスチャン・サルガドという写真家をご存じだろうか?

私は、サルガド氏の写真展を何度も拝見した。

白黒の写真。そこに映し出される人々の姿と光。

人知を超えた存在が、彼に「この瞬間を撮りなさい」と差し出したのではないかと思うほどの一枚。

それが何枚も続くのだから、これは天才としか言いようがないと思っていた。

鉱山で働く人々の姿。

移民の姿。

サルガド氏の知性というフィルターを通して、一枚が切り取られる。

それは、時を超えた力をもち、見る私たちに訴えかけてくる。

人の尊厳とは何か。

本当に立ち尽くして、彼の写真を見ていた若き自分がいる。

東京では、写真専門学校であった講演会に参加した。

学生たちの質問は、私から見ても幼稚で、技術ばかりにとらわれていた。

そういった質問が続き、彼の元気がなくなっていくのを感じたことを思い出す。

写真とは、単なる技術ではない。何を撮るのか、何を切り取るのか。

写真家の知性が問われること、それをどう磨くべきかについて、学生たちは理解していなかったようだった。

サルガド氏については、書籍も、ドキュメンタリー映画もある。

地球の環境の破壊に警告を鳴らしてきた。

彼の力強い作品に再び光が当たるといいと思う。

多くの人に、今もインスピレーションを与えてくれると思う。

ご冥福をお祈りしたい。

下記は、我が家にある、彼の写真集。

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