先週は、高2になる息子の高校の運動会が平日にあり、行ってきた。
普通、高校生ともなると、名称も「体育祭」。何日もかけて応援の練習をしたり、チアダンスの振り付けを考えたり、立て看を作ったり・・・という感じかもしれない。しかし、息子の学校は、そこにあまり力を入れていない(笑)。
生徒会を中心に準備を進め、プラス実行委員が集まって、最終的な準備を進める。どの種目に参加するかも、生徒が自由に、その場で決めて、招集があったら、早い者勝ちで手を挙げ、参加者が決まることになっている。もちろん、応援団などない(笑)。でも、自分の組の活躍をみんなそれぞれ自由に応援している。ゆるい「運動会」なのである。
中学の時は、あまり委員など縁のなかった息子も、このゆるい運動会には、去年、今年と実行委員として手を挙げて取り組んでいる。
小学校の時の運動会は、私など保護者なのに、生徒以上に声を出して応援しまくり(笑)、一体、親なんだか、生徒なんだか、という感じで裏・応援団長だった。息子が通った鰭ケ崎小学校は、コロナ前は、保護者のほんの目の前を子どもたちが走っていく。子どもたちの負けまい!という表情や、悔しそう!な表情が見えて、大人も子どもも最高に盛り上がる、親子と先生で心から楽しむ運動会だった。
高校生ともなると、ほとんどの保護者は体育祭など参加しないであろう中、我が家は今年も、連れ合いも私も、このゆるい運動会の見学に。とはいえ、さすがに静かに様子を見ていた。
運動会も宴たけなわ。最後の組対抗リレーに差し掛かった時に、一人の男性が近くに立っているのに気づいた。この運動場の隣りには、この市の図書館があって、そこで借りたであろう3冊の単行本を手にして立っていた。
その男性がおもむろに、私のところにやってきて、
「これはどこの学校?」と、聞かれた。
「○○高等学校です。」と答えると、男性は、
「ああ○○高等学校か。すごく楽しそうだね〜。いいな〜。」
と、しばらく本当に嬉しそうに生徒たちを見ていてくれた。
私としては特に盛り上がることもなく運動会を見ていたが、その男性の様子に涙が出そうになる程、嬉しかった。地域の皆さんに見守られているんだなと。
今時の若者たちをこんなに温かい目で見守ってもらえていることが、とても有り難かった。そう言われると、生徒たちの表情がみんな楽しそう。輪に入れないような生徒も、やっぱり、いい顔をしている。1位目指して必死にやる体育祭もよし。でも、こうやってゆるく楽しい運動会もよし。
暑い1日で、先生方が、ひたすら飲み物を配りまくって下さっていた。おかげで体調を崩す生徒はいなかった。高校生になると、先生たちは、本当に生徒たちを信頼して、口出しせず、ひたすら黒子、見守ってもらっているんだなと感じた。
連れ合いは、校長先生の姿に驚いていた。体育祭でもスーツ姿の校長先生が多い気がするが(彼の弁)、息子の高校の校長先生は、Tシャツに短パン、キャップ姿。校長先生は、会場を一周されていて、目の前を通られたように思うけれど、すぐには気づかなかった(笑)。
なんだか、あの男性のおかげで、息子が高校生活をエンジョイしている理由がわかった気がした1日だった。
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