流山市議会での「困難問題を抱える抱える女性支援に関する陳情」の審議について。2025.07.08公開

女性たち

7月9日13時から、流山市議会の本会議があり、6月議会が閉会する。

当ブログでお知らせしたように、上田が提出した「流山市における困難な問題を抱える女性に対する支援の充実を求める陳情書」は、教育福祉委員会で不採択となった。最後の本会議で、全議員から判断されることになる。

陳情1:流山市内における広範な女性への社会調査の実施されたい。

→男女共同参画室からの答弁:

○市町村計画策定にあたり、独自に社会調査は行なっていない

○相談内容や件数から、ある程度把握できていると考えている。

○今年度の「まちづくり達成度アンケート」において、「女性の悩みに関して相談窓口を知っているか?」の項目を入れる予定だ。

○全女性に向けて取り組んでいるので、属性(外国人女性、若年女性、高齢女性など)ごとの取り組みは考えていないし、行なっていない。

陳情2 :「流山市困難な問題を抱える女性支援基本計画」の策定されたい。

→こども・家庭課からの答弁:
2025年3月に出された「第5次男女共同参画プラン」に項目として入っているので、これで代替している。

→上田からのコメント:

「これでいいんだ・・・。」というのが、私の感想。

流山市の第5次男女共同参画プランには、「基本的施策6  DVや虐待等あらゆる暴力の根絶」とあり、No.33~41まで具体的な施策が挙げられている。

本プランは、「流山市におけるDV防止基本計画として位置づける」とあるが、「困難な問題を抱える女性支援基本計画」に代替するとは明記されていない。

せっかく困難女性支援法について、国の動きとしてきちんと記載されているのに、流山市での具体的な施策に落とし込めていない。単なる「相談窓口の設置」でまとめようとしているのではないか。

困難な問題を抱える女性たちの問題は、単にDVだけでない。貧困、経済DV、居場所、夫婦関係・家庭関係の破綻、障害女性への複合差別、子どものこと、親のこと、健康問題など、多岐にわたる。八方塞がりになっている女性たちの苦悩が、どれだけ辛いか、わかっているのだろうか?

このプランを読んだ市民に「流山市は、DVだけでなく、女性たちが抱える広範かつ複雑な問題について、あなたと共に対応していく!」というメッセージは伝わらない。

繰り返すが、女性たちが抱える問題は、DVだけではない。

陳情3 個別ケース検討会議等の支援調整会議を設置されたい。

→こども・家庭課からの答弁:

○「要保護児童対策地域協議会(要対協)」で代替している。この会議への出席者は、警察、医師会代表の医師、松戸健康福祉センター、消防本部、教育研究企画室、保育課、教育委員会指導課、健康増進課、障害者支援課、福祉政策課、社会福祉課、企画政策課、とのことだった。令和6年度、案件数はわからず、ただし合計33回実施。

→上田からのコメント:

この答弁が、最もショックだった。確かに、困難な問題を抱える女性が同伴家族に子どもがいるのであれば、要対協で検討されることも必要だろう。しかし、それが女性の問題の支援や保護、解決にはつながらない。要対協が女性の問題の協議には代替できないことは誰が見ても明らかではないか。

困難な問題を抱える女性たちに、必ずしも子どもがいる訳ではない。女性の問題に対して、明らかに「素人」である参加者によって検討されることは人権侵害に等しいのではないか。

女性の問題と子どもの問題は、全く違う。

最も必要とされる女性のカウンセラーまたは相談員も入っていない。それに、これだけの人が必要だろうか?私なら、いくら守秘義務があると言っても、これだけ多くの人に、自分の問題について知られたくない。デリカシーがない。このような場なら、相談したくないと思うだろう。

女性の立場に立った相談、解決、保護の検討の場が不可欠だ。

陳情4 困難な問題についての理解を高めたり、支援が受けられることについて、周知・啓発の予算を確保し、実施されたい。

→子ども・家庭科からの答弁:

○相談窓口について市のHPに掲載、公共施設などのトイレに、相談窓口について小型カードを設置している。今年度は、市内ショッピング・センターやドラッグストアに、カードやステッカーを置きたい。

○周知・啓発のための予算は、今年度30万8000円。

→上田のコメント:

○そうか30万8000円で、周知・啓発ができると思っているのか、と残念だった。もちろん、SNSをはじめ、お金をかけなくても周知・啓発することはできる。しかし、それでもこの金額は「少ない!少なすぎる!」。流山市のやる気を示す予算を確保してほしいと願っている。

コメント