流山でテキサス州での甚大な洪水から学ぶ。2025.07.18公開

誰一人取り残さない

アメリカ独立記念日の7月4日、アメリカ・テキサス州で、大規模な洪水が起き、130名以上の方が亡くなり、100名近い方が行方不明となっている。氾濫したグアダルーペ川近くにあったキャンプ場では、少女たちのサマーキャンプが行われていたため、28名の少女が亡くなっている。心からの哀悼の意を捧げたい。

今回の洪水の被害者の多さについて、洪水警報システムの不備があったのではないか?が問われている。テキサス州の副知事は、「川沿いに洪水警報サイレンがあったら、助かった人がいた可能性がある」と発言している。過去に、その設置が検討されていたが、コストのために実現しなかったとも報道されている。一気に水嵩が増えたのは、夜中だった。洪水警報システムの設置含めて、今後検証が進むことと思う。気候変動の影響が顕著になって、これまでにない集中的な豪雨が起きている中、流山市にとっても、川の氾濫などは現実的な脅威だ。

我が家は、流山市の南端にあるため、部屋の場所によっては、流山市の防災行政無線が全く聞こえない。そういったことが、きちんとチェックできているだろうか?改善されているだろうか?

また防災行政無線については、気になることがある。以前、流山市のオープンミーティングに参加した際、市長から「防災行政無線がうるさいという意見があるので、ぜひLINEに登録してほしい。」とのことだった。確かに防災行政無線はうるさい。しかし、日本でも、毎日、12時に防災行政無線を鳴らしている自治体がある。流山や松戸でも、夕方、子どもたちに帰宅を促す放送を流している。それは、子どもたちに帰宅時間を知らせるだけでなく、防災行政無線に不備がないかチェックしているのだ。音の長さをなるべく短くするなどの工夫はあっていいだろう。しかし、テキサス州のケースの場合、LINEなどで知らせたところで、もっと多くの人命を失っていたことだろう。災害は、場所も時間も選ばない。

また、多くの少女が亡くなった「キャンプ・ミスティック」は、2011年、米連邦緊急事態管理局(FEMA)が洪水マップを作成した際に、高リスク地域に入っていたにもかかわらず、「キャンプ・ミスティック」の抗議により削除されたという報道もある。これが事実なら、営業促進のために、キャンプ場の危険性が隠されたために、利用者も、管理者も、危機感と心構えを失ったとも言えるだろう。こういった「恣意的な判断」があってはならない。

大切なのは、自治体が「それがなぜ必要なのか?」「なぜ、ここは危険なのか?」について、きちんと住民に説明すること。音の長さについては短めにするなど工夫はあっていいが、必要なこと、つまり住民の生命に直結することについては「断固としてやる」という姿勢も大切だ。

危機管理型水位計運用システムだ。自宅にいて、川の水位を確認できる。

ご活用いただきたい。

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