流山から、プラスチックの規制について考える考える。 2025.08.07

温暖化問題

8月5日〜14日まで、スイス・ジュネーブにて、プラスチック環境汚染防止のための条約に関する会議が行われている。昨年12月まで、韓国で行われた協議はまとまらず、再度の会議となる。プラスチック汚染を終わらせるために、法的拘束力のある条約文に合意できるかが注目されている。

OECDの資料によると、年間のプラスチック生産量は、1950年に200万トンだったものが、2019年には4億6000万トンまで、約70年で200倍以上に増加している。廃棄されたプラスチックは紫外線などによって粉砕され、マイクロ・プラスチックやナノ・プラスチックと言われるものにまで小さくなる。しかし、自然分解しないため、水道水や人間の血液からも検出されていることが報告されている。国連環境計画(UNEP)は、プラスチックに含まれる化学物質の発がん性や生殖機能への悪影響といった健康リスクの可能性を指摘している。そして、プラスチック汚染を2040年までに終わらせるためには、すべての国が廃棄物の管理、生産・使用の厳格な規制が必要だと指摘している。しかし、このような規制は経済活動に大きく影響するため、各国の利害が対立している。

争点1:使い捨てプラスチックの扱いや有害な化学物質について規制するか?

EUや島嶼国は段階的厳しい規制を求めている。一方、プラスチックの原料である石油の生産国は規制に反対している。

争点2:資金供与

プラスチックのリサイクル体制構築のための資金供与について、必要とする途上国と供与する先進国の間で意見の隔たりがある。

争点3:条約で扱う範囲

プラスチックそのものの生産や消費についての規制を条約で扱うかどうか。

「賛成のEU・アフリカ諸国・中南米などの95カ国」と「反対の石油生産国とロシア、インドなど」が対立している。なお、日本は、条約で扱うべきと考える95カ国の中には「入っていない」。

この会議は、全会一致の原則であるため、今回の会議でも条約文合意に辿り着くことは難しいと言われている。

しかし、人間の血液からもプラスチックが確認されている今、現在や未来の人類や動物の健康、そして自然環境をプラスチック汚染から守るために、どうすべきかについて、責任ある議論を期待したい。そして、プラスチック汚染防止策を実現するための妥協点を見つけなければならない。しかし、1人当たりの使い捨て容器包装廃棄量世界第1位のアメリカと第2位の日本の貢献が見えてこない。

息子は、小学校5年生の時に、SDGsについて学ぶ中で、マイクロ・プラスチックの問題に出会った。魚や鳥たちが、餌と間違ってプラスチックを食べ、体内で消化・分解しないため、栄養が得られず死んでいく姿に衝撃を受けたようだ。それからずっと、中学校でも、マイクロ・プラスチックについて調べてきた。今でも、かなりコツコツではあるが調べている。先日は、大学や国立環境研究所を訪れて、最新の研究や機器に触れることができた。子どもの学びから、私が学ばせてもらっている。そのように調べてみると、日本国内でも、マイクロ・プラスチックについての研究がかなり広く進められていることがわかる。しかし、政治の動きは鈍い。

人間が生産し利用したプラスチックという化学物質を人間が回収し処分するのは当然だろう。今、プラスチックは医療機器などにも使われており、私たちの生活になくてはならないものになっている。とはいえ、その環境負荷が高いなら、その生産を抑制し、自然環境と調和できるよう規制していくべきであり、それを具体的に実現していく必要がある。

その点で、プラスチックを使用する私たちの生活に最も近い自治体の役割が大きいのではないだろうか。流山市で何ができるのか?条約の締結を待つまでもなく、私たちが分別しているプラスチックは、実はどのように処分され、どれくらい再生されているのか、具体的な情報を明らかにしながら、どうリサイクルしたり削減できるのか、具体的な方策を実現していく必要があるだろう。

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