流山市で「虎に翼」を考える。

女性たち
  今朝はもちろん!、7時20分からの「虎に翼」総集編を観る。実は当初、「朝から心を揺さぶられるのは嫌!」と、観ないでいた。しかし、友人から熱く説得され観ると、やっぱり。主人公の猪爪寅子たちの言葉に、励まされ、うなづかされ、時に許された。朝から大泣きも珍しくない濃い毎日、楽しみだった。

「虎に翼」は、ご存知の通り、裁判官・弁護士であった三淵嘉子さんをモデルにした朝ドラ。伊藤沙莉さんの絶妙な演技、共演者たちの素晴らしいキャラクターと演技。米津玄師の音楽もよかった!脚本家の吉田恵里香が紡ぐ言葉は、私たちをがっちり掴んで離さなかった。さまざまな問題が、今に至るまで解決されていないことも、よくわかった。

家庭裁判所、少年法、選択的夫婦別氏制度、事実婚、女性と結婚・仕事・子育て、夫婦の在り方、専業主婦、LGBTQ+と婚姻、障害者、在日、性暴力、尊属殺人、戦争、原爆と裁判、親権、地方における司法、貴族、学生運動、ポスドク問題、ブラック企業・・・様々な問題が取り上げられた。

影響は受けたのは私だけではないと思っている。私は、これを「法曹界の虎に翼効果」と呼んでいる(笑)。何より法曹界の人々に大きな影響を与えたのではないか。登場人物たちが、法の力の限界を知りつつも、その力を最大限に生かして弱きものに寄り添い、力になろうと格闘する姿。家庭裁判所設立など、それまでの日本になかったものを、そのあるべき理想をしっかりと掲げて実現するために奮闘した姿。国家賠償という厳しい裁判においても、原爆で苦しむ被害者に対して、法としてできるだけのことをギリギリまで示し、政治に働きかける姿。本来、司法がどうあるべきかの「原点」を見せてくれた。

先日、LGBTQ+の原告たちが同性婚を求める裁判において、同性婚を認めない現行民法は、日本国憲法13条の「幸福追求権」に違反すると、初めて判断した。「幸福追求権」。その通り。そんな当然のことがこれまで認められてこなかったわけだが、ここにきてそれが「幸福追求権」であると認め、憲法違反の判断が下されたのだ。それは、裁判官が、法というものが誰のためにあるのか、何のためにあるのか、法が求める「原点」に立ち返り、シンプルに受け取って示したからだと思う。とても大切なことだ。

「虎に翼」に励まされた今年。受け取った言葉をしっかりと抱きしめて。新しい年がやってくる。

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