本日2025年5月28日の日経新聞で、メルケル元ドイツ首相の記事を読んでいただけただろうか。自分が聞いた講演をプロの記者がどう書くかを確認する作業は、なかなか面白かった。
さて、昨日のブログでお約束したように、記事に加えて皆さんにお伝えしたいことをまとめておきたい。
以下、ランダムに書くので、重要性の順番ではない。
◯コロナは、私たち市民だけでなく、国際政治にとっても、極めて大きな影響をもたらしたのだと感じた。特に、ロシアなどと交渉ができなくなったと語っていた。
◯「ロシアに勝たせてはいけない。」この言葉をはっきり述べていた。
◯ウクライナという時、メルケル氏は必ず「主権」という言葉とともに話していた。素晴らしい。
ウクライナの「主権」を維持することが大切であることを語ってた。これは大切。
◯貿易相手国を多様化する必要がある。ロシアからのガス・パイプライン「ノルド・ストリーム2」を念頭に置いているのだろうか。ある国に依存すると、それが「武器」にされてしまうと語っていた。
◯シリア難民を受け入れたことについては、それまでにもっとやれることがあったはずという後悔の思いを持っていたからだと語っていた。
◯日独ともに残忍な歴史があったことを決して忘れてはいけない。これを新しい方法で記憶する必要がある。一方で、その残忍な歴史は、自らの歴史の一部であることも忘れてはいけない。そこから新しい道を歩めてきた。アメリカからの大きな支援もあった。
◯自由が大切(メルケル氏の新しい著書のタイトルも「自由」)だ。人に敬意を持たないことは自由ではない。それぞれの時代に自由を勝ち取ることが重要だ。
それ以外にも、自分自身にとって必要なアドバイスをいただいたように思う。
今、プーチンとの関係についても、メルケル氏が批判されている。しかし、あの時、彼女は、互いにWIN-WINの関係をもとうとしたのではないだろうか。「ノルドストリーム2」についても、ロシアにも経済的利益を与え、ドイツも原発停止を補填するエネルギーを安価で得ることができる。その上で、そういった経済的利益ゆえにプーチン氏をヨーロッパに組み込ませようと思っていたのではないか、そして、それが欧州の安全保障と繁栄にとって必要だと思っていたのではないだろうか。
すでに「シュピーゲル」が、メルケル氏の新しい著書を読むのは「骨が折れた」などと語っているが、その彼女こそが、さまざまな危機にあって、ドイツの安定をもたらしたことを忘れてはいけない。
私の手元にも、著書「自由 上・下」が届いた。かなり分厚い(笑)が、読むのが楽しみだ。しっかり骨を折って、読み通したい。
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