今日は、終戦から80年。
亡くなった父から聞いた戦争の話などを思い出しながら、全国戦没者追悼式の挨拶を聞く。石破首相、天皇陛下、それぞれから「反省」という言葉が出たことを噛み締める。
その後、今年は午後から、家族で千鳥ヶ淵戦没者墓苑に出かけた。もう25年以上になるが、毎年8月15日には、千鳥ヶ淵戦没者墓苑に出かけている。
千鳥ヶ淵戦没者墓苑は、昭和28年以降、政府派遣団が収集した遺骨、戦後海外から帰還した部隊や個人によって持ち帰られた遺骨、軍人軍属のみならず、戦争で犠牲となった一般人を含み遺族に引き渡せない遺骨が納められている。
千鳥ヶ淵戦没者墓苑では、菊の花を購入して献花できるようになっている。長く、毎年毎年、遺族と思われる高齢の女性が、菊の花のところに立って対応してくださっていた。その方も、もう数年前から姿を見なくなってしまった。確実に、直接戦争を知っている人たちがいなくなっていることを感じる。
家族で献花し、哀悼の意を表し、静かに頭を下げる。
その後、今年は「しょうけい館」へ行ってきた。しょうけい館は、厚生労働省が戦傷病者等の援護施策の一環として、戦傷病者の戦中・戦後について語り継ぐための施設として平成18年に開館。令和5年に現在地へ移転している。平成天皇・皇后も訪れている。
しょうけい館:https://www.shokeikan.go.jp/
当ブログでも取り上げた、陸軍の国府台病院など、兵士らの精神病・神経病・PTSDについても展示してある。野戦病院の様子はリアルだった。9月7日までは、「水木しげるの戦争体験」という特別展も行われている。
我が家は、息子を筆頭に、家族みんな、水木しげるさんのファンだ。水木しげるの「総員玉砕せよ」などは読んでいたり、NHKドラマを観たりしていたものの、まだまだ見ていない本があることも知った。
「戦争を賛美するのは戦争にいかない人ですよ」
この言葉が心に刺さる。
今回は、メディアでも、戦争体験をどう「語り継ぐ」かが頻繁に語られている。私も、父から聞いた話などを含めて、自分がこれまで満蒙開拓団の方の話など直接聞いた話を、息子や若い人たちに、伝えていかなくてはならないと思っている。
一方で、戦後80年、日本は戦争をしなかったことに大きな価値を見出したい。そして、国会議員など、支持団体へのアピールなのかわからないが、事実に基づかない、理解に苦しむ発言をする国会議員らがいる一方で、直接の関係者がいなくなることによって、日本人は、自分たちの国の歴史の事実に、冷静かつ客観的に向き合えるのではないだろうかと思っている。
私は、以前から、保阪正康さんの著作を少しずつではあるが読み進めている。保坂さんの考える軸が自分に非常に近い気がするのだ。保坂さんの著書が多くの人に読まれているのは、今もなお、先日のブログにも書いたように、この国の人たちが、「なぜ日本は戦争をすることになったのか」「なぜ戦争を止めることができなかったのか」についての答えを探し求め、考え続けているからだと思う。この動きに期待したい。
石破首相が述べている。
歳月がいかに流れても、悲痛な戦争の記憶と不戦に対する決然たる誓いを世代を超えて継承し、恒久平和への行動を貫いて参ります。
石破首相挨拶全文:

この言葉は、あの時代を生きた国民、そして今を生きる私たち国民の総意だと思う。
自分たちの国、決して無傷ではない、この国の歴史の事実に対して、冷静に、客観的に向き合うこと。そして、だからこそ間違いは繰り返さないこと。日本国憲法が示すように、決して武力に頼ることなく国内外の関係を築けるような知性と行動を伴う国をつくること。そのために、私たち国民一人ひとりもまた、それぞれに責任を果たし、判断したい。
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