フランスで、今、高校生たちが教育環境の改善を求めてデモをしている。パリ郊外から始まって、全土の高校生たちが呼応。今日現在では、正常化した学校もあるようだが、依然250校以上が学校閉鎖となり、デモは今も続いている。
◯老朽化した校舎で、ゴキブリやネズミが出る学校も。
◯イスや机が不足
◯パリ市内と郊外の学校の教育環境の格差
◯大学入試制度の改変
◯冷房・暖房がなく、夏は40℃にもなる中朦朧と、冬は寒さで凍えながら授業を受けている。
◯教師が不足し、授業できない科目も。非正規の教員の待遇が悪い。
◯35人学級の是正(←この要求は、すごい!)
学校への放火や先生に油をかけるといった事件もあったようだが、基本的には平和裡なデモだ。大人たちにかき回されないで、しっかりと高校生たちがデモを取り仕切って訴えてほしい。
しかし、高校生に対して催涙弾が使われている。実は、連れ合いが、9月下旬からストラスブールに滞在しており、仕事先の会場の隣りの高校でデモがあり、催涙弾が使われている様子を知らせてくれた。連れ合いも「目が痛い」と言っていた。基本的には校長先生をはじめ教員らも参加し、見守っているようだ。
Xで飛び込んできた、パリ共和国広場で演説する、ある高校生の演説を紹介したい。
「教育は権利です。尊厳ある環境で生きることも権利です。・・・違いがあるからといって、宗教が違うからといって、負い目に感じる必要はないのです。私たちはフランス人。ただそれだけです。尊厳をもって学ぶ権利があるのです。」
日本の高校生よ!彼は、ジュール・ミシュレの「フランス革命史」を引用していたぞ!
そして、デモには「1970年代の高校生は2020年代の高校生たちに連帯する」というプラカードをもつ人も。
もうひとつ、感動したのは、手榴弾で(本当!?)腕を失くす生徒が出たとのことで、保護者たちが、高校生と機動隊の間に入って、手を繋ぎ、人間の鎖をつくって、高校生たちが訴える環境を守ろうと側面から支援していた姿だ。ある女性は「初めて自分のことではないことでデモに参加した」と語っていた。
私が高校生の頃は、雑誌「Olive」のファンとして、フランスの「リセ」に憧れていたものだ。しかし、今のフランスのリセは、高校生たちが怒るのも当然の環境だ。
それにしても残念なのは、国民教育大臣がなぜ、高校生たちと協議しないのか(私の知る限り、協議したという報道には接していない。)?首相がなぜ高校生たちと会わないのか?今月末には、高校に関する改善の提案がまとめられる予定とは聞いたが。高校生たちの主張は真っ当だ。彼らに会うことが大切だ。
今、パリ郊外は大変な危険な状態になっている。少し前といっても1年以内の話だが、パリ郊外で、昼間からドラッグ関係で銃の撃ち合いがあり(よくあることらしい)、確か誤って自分の赤ちゃんを撃ち殺したといった事件があったように記憶している。もう地獄だ。
そう言えば、私がパリを訪れたのは、もう約30年前。貧乏学生だった私は、パリ北駅近くのホテルに滞在したが、イギリス人の友人たちからは、“後から“「信じられない!危なすぎる」と言われた。とはいえ、貧乏なので、夜、外食するわけでもなく、問題なかったのだが。その頃から、郊外は相当危なかったのだろう。
今回、高校生たちは、パリ市内と郊外の高校生の学校環境の「格差」を問題視している。「自分たちが恵まれているから、他人のことはどうでもいい」ではなく、「フランスの高校生誰もが尊厳ある環境で教育を受ける権利」を皆で求めている。
そこに、この国の希望が残されている。


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