流山市立幼稚園廃園問題。今年度予算から考える。上田の考え。その3。

5、なぜ、流山市の廃園理由が変わったか?

まず最初に、流山市が言っていたのは、「入園者数が減少する中で、これ以上財政的な負担を続けるわけにはいかない」ということだった。教育委員会は、お金ではないといいながらも、お金の話ばかりだった。

今回、吉田教育長は「3年前、附属幼稚園の廃園の問題があがり、いろいろご指摘をいただいた時は、当時は、お金がかかるから廃園にするというような方向での議論となっていたかと思います。」と答弁している。

ところが「今回、我々として提案させていただいているのは、適正な幼児教育を行うために、ある程度の規模の人数が必要だと、それを今現在満たしていない。今後、満たす可能性が少ないということから、議案として上程させていただきました。」と説明している。

「お金ではなく園児数の減少で適正な教育ができないから廃園にするのだ。」という。まるで、子どもたちのためだとでも言いたげに。

私は「この変化は何だろう?」と考えた。

昨年の説明会の際に、流山市からは、

「私立幼稚園で受け入れてもらえない児童については、補助金を出し受け入れてもらう方針だ。」と説明していた。

これまで財政的な問題なのだと説明されてきた参加者から、「それはどれくらいの予算になるのか?その補助金があるなら、附属幼稚園の存続は可能なのではないか?附属幼稚園の方が安上がりなのではないか?」と質問が出た。

しかし、流山市は説明しなかった。そういう方向性を話すのだから、概算くらいはできているだろうに。

さて、ここで今年度流山市の予算を見てみよう。

市内幼稚園に関する予算は

8億1388万円

(うち国・県の負担:5億743万4千円、市負担:3億643万2千円、雑収入1万4千円なお雑収入は、附属幼稚園へのもの)

このうち

附属幼稚園予算:5102万8000円

私立幼稚園(市内すべての幼稚園)の予算:7億6283万8000円

このうち「私立幼稚園等要配慮児受入支援補助金」8280万円

「令和8年度流山市予算に関する説明書」415ページ。

実は、国からの補助金は、公立に比べて私立幼稚園への補助金が大きい。このことの背景については、言いたいことはあるが、別の機会に。

流山市が、昨年の夏の時点で、私立幼稚園を希望する児童数が決まらないため、正確な数字がわからないのは当然だ。しかし、おおよその概算もしないのに、「要配慮児へ補助金を出します」と言えるのか?おおよその概算くらいはあったはずだ。あの時、おかしいと思ったが、こういうことだったのだと思う。

完全に論点がひっくり返された。

最初は、吉田教育長が認めるように財政的な問題と説明されていたのに、附属幼稚園の1年間の予算より多い8280万円もの補助金が、要配慮児受入のための補助金として、流山市内の私立幼稚園に支出される。

だから、「財政の問題ではなくなった」のだ。

財政を理由に「廃園」と打ち出し、附属幼稚園の入園児童数を増やす努力もしないで、「廃園になるから入園をやめる」という保護者の動きは当然の成り行き。そうして入園児童数が減ると、今度は、「財政の問題ではなく、入園児の教育に適正な人数が確保されないから廃園」と言う。そして、財政的な問題だったはずの附属幼稚園の1年分の予算以上の予算が、私立幼稚園に補助金として拠出される。これは完全に、

「流山市が、流山市の唯一の公立幼稚園を自分たちで潰している」

「園児が集まらない私立幼稚園の支援」

としか言いようがない!

●これまでの経緯:

・流山市内の公立・私立「幼稚園」の需要が減少していることを把握。

・2023年4月頃、流山市長が「幼稚園は廃園」と発言したと言う話が聞こえてくる。

・2023年5月  流山市立幼稚園協議会(以下「協議会」)が発足。「流山市立幼児教育支援センター(以下「センター」)及び附属幼稚園の今後のあり方等」について諮問。

・2023年10月 協議会はセンターについては「全員存続」。附属幼稚園については、存続と廃園に意見が分かれ、結局、協議会としては、「存続」と「廃園」の両論併記で答申。これは「廃園に意見がまとめられなかった」ということ。

・2023年10月26日 流山市の教育委員会会議が開催。この時に、協議会の両論併記について説明がありつつも、教育委員会からは「廃案」の形で発議。委員には、田中教育長(当時)が入った委員6名のうち、可決4名反対2名で、廃園の議案が可決される。

議事録はこちら:

https://www.city.nagareyama.chiba.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/040/318/5.10_1kaigi.pdf

・2023年11月(つまり教育委員会議後)パブコメ実施。応募人数239名。うち、廃園賛成22件、廃園反対84件の意見表明。そのほか、331件の案件についてコメントあり。締切は12月20日。

・2023年12月議会 「流山市幼児教育支援センター附属幼稚園の廃園方針の見直しを求める陳情書」が提出される。本会議にて、18対7で陳情書の継続審査が決まる。

・2024年3月議会 継続審査について、議会本会議にて18対7、棄権2で陳情書採択。

・2024年6月議会 「流山市における公立幼児教育施設の存続に関する陳情書」が提出される。本会議にて18対9で陳情書採択。

・2024年7月に、保護者、地域向けの説明会を開催。

その後、特に説明会などなし。

・2026年6月 流山市議会6月議会に附属幼稚園廃園の条例が提出。

さて、この間、教育委員会議で流山市が答弁したような「努力」は行われたか?

・2023年の教育委員が求めた流山市内公立私立共通「スタンダードなカリキュラム」などできていない。

・附属幼稚園の募集は、私立幼稚園の募集終了後に行っていたが、指摘を受けて、今年度の募集(2025年)からやっと公立と私立が同時募集となった。

・私立は3年教育が主流だが、職員からの提案があっても3年教育を認めなかった。

・HPなどの予算を立てて、若い世代の保護者の情報収集方法であるHPなどネットでの情報発信を充実させることはなかった。

・幼稚園入園前の保護者への呼びかけもない。

「説明で言っていること」と「やっていること」が全く違うじゃないか!?

だから、私は、こんなの

Fair(公正)ではない!

と指摘するのだ。

つづく。

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